数字のマジックでITシステム開発の見積りを顧客に納得させる方法

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こんばんは、奥家 耀介 です。
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去年、私の所属する会社のとあるプロジェクトで、
顧客から「高い!高い!」の大合唱に当時のPM(プロジェクトマネージャ)が屈し、
根拠なく見積り額を減らした事で、10憶以上の赤字となって、プロジェクトが頓挫
結果、全社員の夏冬ボーナス50%カットという悲惨な目にあった事があります。



システム開発において、工数見積りは、プロジェクトの必須要素であり、
その正確さはプロジェクトの成否に大きな影響を及ぼします。(当然ですよね?)



しかし、如何に安く作るかを考えている顧客の安値圧力に屈し、
結果的に、赤字や納期延長を余儀なくされる事例が後を絶ちません。



見積りは後で必ず上振れします。
ただ顧客は、要求が固まっていない段階で見積りを依頼する事があり、



顧客は見えないものに金を出そうなんて思わず、
PMもその見えないもののコストなんて説明しずらいわけです。
だから、後になってから、あんなこと こんなことに追加で工数がかかってくる。



後で追加費用を請求しようにも、「前に言ったじゃないか!」と逆切れされ、
自腹を切ることになり、赤字が垂れ流される。



そんな現場を幾度となく見てきました。



見積りミスの原因は色々あるので、この記事では具体的に触れませんが、
私は PMの素養に以下の問題点があると思っています。

     
  • 世のPM(元は技術者)は馬鹿正直で、顧客の安値攻勢に極力応じる事が顧客の為だと思っている
  •  
  • 見積り額調整は、交渉事(つまり心理戦)なのに、正しい数字に注力し、納得させる数字を考えようとしない
  •  
  • 安く作ることが顧客の喜びであるだと思い込み、高かったが、プロジェクトは成功した事の方が、実は顧客から評価される事に気づいていない。
  •  
  • ・正直さから来る明朗会計に注力し より顧客を気持ちよく騙す事で コストを勝ち取る事に労力をかけない



騙すなんてそんな・・・って思うかもしれません。



正直に出そうったって、出せないものを一生懸命考えても、
正しい数字は出ない。
だが、顧客は「出せ!」という。



だから、「リスク積んでいまっせ」なんて言っても、
「リスクって何?」と言われたら、閉口・・・。



もう一度言います。
顧客は見えないものに金を出そうなんて考えませんし、
PMもその見えないもののコストなんて説明しにくい。




現実を見ましょう。



そんな状況下で、
じゃぁどういう見積り方をどうすれば、上手くいくのか?



それは、数字の見せ方次第で、上手くいく場合があります。
少なくとも、5年以上前から私はこれを実践し、
未だに、大きな問題を起こしていません。


本日はそんな数字の見せ方(トリック)の話



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■ 数字は 実数でなくパーセンテージで


 あなたは脳腫瘍で手術しなければなりません。


 手術をしないと余命は1年と告げられました。


 ここで2つの病院があります。


 A病院の先生
  「死亡する可能性もありますが、生存率95%の手術です。」


 B病院の先生
  「受けた患者の20人に1人が死亡する手術です。」


 あなたはどちらの手術を受けますか?

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  ・
  ・
  ・
  ・
  ・
  ・
  ・


 勘の鋭い人ならもうお気づきだとは思いますが、
 この2つは数学的には全く同じ確率です。


 しかし、これを見たほとんどの人が
 B病院の方をより危険だと感じています。



 これは「フレーミング効果」を応用したものです。



 フレーミング効果とは、「問題や質問の提示のされ方によって意思決定が異なること」を言い、
 日常生活でも、この効果を利用したものがあります。


 例えば、スーパーで、「肉:赤身75%」と「肉:脂身25%」とでは前者が選ばれやすいでしょう。

 また、手術の成果を「死亡率5%」と説明されるよりも、「生存率95%」と説明されるほうが助かる可能性が高いと思ってしまいます。



 この効果を応用し、数字をパーセンテージで示す場合と
 絶対数で示す場合の違い
から読む人の意思決定が変わると言う事。



 心理学者 ツヴァイクによれば、
 「10%」と「10人中1人」といった
 微妙な表記の違いでも、
 読む人は異なる反応を示すと言っています。



 「2%の確率で不運に見舞われる」と聞くと、低く感じられるが、
 「100人中2人が被害に遭う」と聞くと、脳は実在する2人の人がケガをすることを想像してしまう。



 長所を説明するときの数字は、実数のほうが 効果大だが、
 見積りのように、「顧客がお金を払う」事については、パーセンテージの表記をさせる事が重要




 実数には無意識に人の脳を働かせるパワーがあり、
 パーセンテージ表記には人に考えさせないパワーがある。



 要するに、
 ポジティブなこと(弊社の努力で、顧客への貢献度をアピールしたい時):実数をつかう
 ネガティブなこと(見積りや、追加でコストが発生する時):パーセンテージをつかう


 というルールである。



一番多く注文が取れるのはどれ?



さて、ここでクイズです。


レストランのメニューの料金表示の内
一番多く注文が取れたのはどれでしょう?


 (1) ¥記号をつけた数字で表示:¥1,200

 (2) ¥記号をつけない数字表示:1200

 (3) 文字で説明:千二百円

 少しの間、考えてみてください。
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 (2)を選んだあなたは 正解です!


 あなたは、心理学の視点で
 何が最高の結果を生むのかを 理解している
 数少ない人かもしれません。



 不正解だったあなた、
 気にすることなんてありません。



 なぜなら、正解者の中でも
 (2)が一番多く注文がとれる理由まで
 説明できる人はごく少数だからです。



 ではなぜ(2)が一番注文がとれるのでしょうか?
 その理由はこちらのページで明かしています。
 ↓
  http://directlink.jp/tracking/……/Lcij7go5/


これを見れば、見積り時には、どうすればいいのかが分かります。
特に「Chapter 10 脳が喜ぶマーケティング」は必ず見ておいてください。
 お得感、満足感、ゴージャスに見せるテクニックを見ると、なんかこれまでの馬鹿正直さがあほらしくも見えます。



また、こういった数字のマジックは、別にIT開発の見積りだけに通用するものではありません。



 実は、マーケティングや雑談力の向上にも利用できます。
 雑談が活発なプロジェクトチームは、そうでないチームよりパフォーマンスが13%アップしたという事例もあります。



ITの答えは、ITにはありません。 積極的にこういったIT書に無い著書から学ぶことで、他者との違いを大きくすることが重要です。



 誰もがやっていない行動をすることで、その誰かとの違いが生まれる事を意識しましょう。 



ではでは~。


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